個人に対する警察による弾圧について

Subject: ブルキッチ加奈子です
Date: Fri, 21 May 2004 20:51:53 +0900

個人に対する警察による弾圧についてです。長文になります。転送するときはご一報 ください。

こんにちは。ブルキッチ加奈子と申します。私は平日の昼間にアメリカ大使館前で抗 議をしてきました。グループに所属せず、イデオロギーや宗教もなく、ただ個人とし てアメリカの外交政策について抗議を続けてきました。私の夫であるスーレイマン や、同じようにグループにしばられたくないと思う日本人や外国人の仲間4人を中心 に平日の昼間に行動をしてきました。
私たちは、英語や日本語のメッセージの入った写真のパネルを用意し、大使館を利用 する人たちにハンドマイクを使って英語や日本語で、イラク戦争反対など、アメリカ の外交政策に対する反対、抗議をしてきました。
2002年、4月に抗議を開始して以来、初めは月1回、次ぎに月2回の抗議と増や し、2002年の12月頃から今年2月13日までは毎日抗議に行きました。(現在 はアメリカ大使館前道路工事中を理由に警察からJTビル前で抗議するように言われ ています)
今、日本では反戦活動に対するあからさまな嫌がらせが続いています。例えば、反戦 ビラを自衛隊官舎に配った人たちが逮捕起訴されたり、党の新聞を配った人が逮捕起 訴、他にも反戦メッセージを書いた人が有罪判決を受けました。
そして私たちアメリカ大使館前の抗議者たちにも嫌がらせが及ぶようになりました。

長文になりますが、説明を付けるので読んでみてください。

最初に嫌がらせを受けたのは私の夫であるスーレイマンでした。2003年4月16 日から18日にかけて自宅から普段使っている駅までの道に顔写真入りのA4ポス ターが30枚近く張り出されました。「指名手配」、「発見した人は110番 を!!」などと書かれたものです。近くの警察署の名前を騙っており、本当の指名手 配書のような作りのものです。スーレイマンさんは14年日本に住んでいて1度もこ のようなことが起きたことはありません。8年間同じ家に住んでいますが近所のトラ ブルも全くありませんでした。犯人はまだ捕まっていません。 次に同じ年の5月11日には自宅のfaxに差出人不明のメッセージが送られてきま した。「ブルキッチ加奈子様」と始まっていて内容はアメリカ大使館での抗議を制限 するように求めるものでした。これらのことはアメリカ大使館前で連日抗議行動をし だしてから起こった事件です。

そして、去年(2003年)12月8日、私の仕事場に赤坂警察の私服捜査員が突然 2人現れました。任意で事情聴取がある、と言われました。私は毎日大使館前に抗議 に行っているし、逃亡の恐れも何もないのにわざわざ職場に来たのです。捜査員は 「9月に米大使館から出てきた人に対して顔のすぐ前でハンドマイクを使って怒鳴り つけたことが暴行容疑にあたり、捜査をしている」と言いました。私は人の顔の前で ハンドマイクで怒鳴るようなことはしません。
アメリカ大使館前は常に10人くらいの警察官と公安数人が警備をし、警察官たちが 待機しているバスが2,3台は必ずあります。その中で暴行容疑にあたるようなこと をしたら現行犯逮捕になるのではないでしょうか。そもそも事件性がないようなもの であり、もし日本人同士なら警察も告訴を受けないような内容です。警察はこの機会 を利用し、職場の人たちに私が何か警察のやっかいになっているんだな、という印象 を与えようとしたのだと思います。

12月12日、私は任意の事情聴取に応じました。なぜなら、あまりにも事件性がな いし、このことで強硬になった結果アメリカ大使館前で抗議を続けられなくなるとし たら、それは私にとって最も辛いことだったからです。私は覚えている限りの状況を 警察に説明しました。最後にこれからは職場に来ないように、弁護士を通じて話をす るように要請しました。そしてその後もアメリカ大使館前での抗議は続けました。

今年に入って2月13日、いつも通り大使館前に抗議に行きました。すると警察か ら、「今までの抗議場は工事でつぶして車道にする、工事の終了後もこれからはずっ とJTビルの前から抗議をしなさい、工事は2月16日からだ」と言われました。 そして2月16日夕方に抗議場に行こうとするとかなり前の道で止められました。工 事が終わってからも大使館近くの道を使うときは赤坂警察に「確認」を取ってからで ないと通すことはできない、と言われました。これは私だけではなく同じく昼間に抗 議をしていた人たちも道を通ることさえできませんでした。
そしてこの日の夜、赤坂警察の男性捜査員が4人、自宅に来ました。スーレイマンさ んがまだ仕事をしている時間帯だったので私が一人で家にいました。彼らは「家宅捜 索」の令状を見せ、大声で何度も怒鳴ったあげく、みながあちこちに散らばって写真 を取っていました。捜査員の一人が私の洋服の引き出しに手をかけたので「そこは下 着しか入っていない」と言うと「こっちは令状があるからどこでも見ることができる んだ」「よし、開けろ」などと言っていました。
寝室の押入、お風呂場の天井、トイレ、いろいろ触り、写真を取っていきました。
翌2月17日、仕事に行き、昼休みに友人たちと待ち合わせをして昼食を外でとり、 仕事場に戻りました。すると私と入れ違いで赤坂警察が捜索に来たとのことでした。 警察が何人も何人もわざわざ来るほどの事件を起こすような人間なのだという印象を 与えようとしたのでしょう。

私はアメリカ大使館前での抗議を2年近く続けてきました。誰かを殴るなどの暴力な ど絶対使わず、パネルを持ち、アメリカの外交政策に反対する意志を毎日毎日訴え続 けてきただけです。アメリカも日本もテロとの戦いや市民の安全という目的遂行のた めに頑張っているんだ、と言っていますが、今度のことには、権力を批判する者は痛 め付けるぞ、というメッセージが隠されています。

2月20日にスーレイマンが大使館に行こうとしたときには、警察と公安、合わせて 10人近くが出てきて、外国人登録証明書を出すように言ったそうです。外国人登録 証明書を見て公安が一生懸命メモを取っていたそうです。
これは、外国人が外国人登録証明書を常に携帯していなくてはいけない、という法律 を警察が悪用しているということでしょう。アメリカ大使館に向かって抗議をしたい 外国人は自分の情報をその場であかすことも覚悟で、ということでしょうか。
スーレイマンが大使館近くを歩きながら駅に戻ろうとしたときには、警官1人と公安 4人が彼の周りにつき、この道は使ってはいけない、などと歩く道まで制限したそう です。

3月の初旬にはスーレイマンがインターネット上で実名を出され、テロリストだと中 傷されました。

そして4月20日に赤坂警察の捜査員が2人、また職場に来ました。再度任意での事 情聴取がある、とのことでした。最初の事情聴取の時に職場には来ないように要請し たにもかかわらず無視してまた来たのです。5月6日に2回目の任意の事情聴取に応 じました。

私たちに対して警察は「迷惑だ。」と言いました。しかし私たちは法に触れるような 抗議方法を取ったわけではありません。ただ、毎日毎日昼休みに通っただけです。そ の結果、抗議ができなくなり、いやがらせを受け、公道なのに許可無しで歩けなくな り、警察や公安につきまとわれるようになりました。この国で保証されている自由が 一体どこにあるのかと考えさせられてしまいます。
アメリカ大使館前で抗議をすることは犯罪ではありません。パネルを見せること、戦 争反対とみんなで声を大にして言うこと、大使館前でラテンアメリカの子供を思い、 泣くこと、早く戦争が終わるよう祈ること、大使館に毎日毎日抗議に行くこと、すべ て犯罪ではありません。警察から咎められ、嫌がらせや規制を受けることではありま せん。嫌がらせや規制はどんどん進んでいます。この国にいる人全員がこの状態に気 がついたときにはもうあと戻りできない状態になっているでしょう。自分の意志を表 す権利は絶対に守らなければいけません。


ブルキッチ加奈子
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