地域通貨論(2003) 四、あとがき

四、あとがき

 LETSに関して(筆者は地域通貨の中でこれを重点的に論じたが、LETS=地域通貨では無論ない)、これまで、1(男性的)2(女性的)3(複合的)にアプローチしてきたが、私が今思い浮かべるのは、先にあげた逆〒字状の図をさらに動的にしたイメージである。
 それは二人の子供が、縄跳びを回していて、もう一人の子供がそれを飛ぶ。
 さらにn個の子供が、飛びはじめる。
 そもそも自己雇用の達人たる芸術家(というよりアルチザン)ウィリアム・モリスが言ったように、生活そのものが芸術であることが可能ではないか?(愛とはプルードンにとって、互酬制ではなく、生と死のアンチノミーであり、結婚という制度をささえる下位概念だった)。
 ちなみに、当時の西欧の博覧会ブームに対して、福沢諭吉は絶賛し、ドストエフスキーは絶望し、モリスは商売をして賞を取り、プルードンは永続的博覧会を提唱した。ここにそれぞれの社会に対するスタンスが見られて興味深い。
 そして、何より交換(コミュニケーション)は楽しいものであり、それ自体が生産と呼べるのではないだろうか?というのがLETS(Local Exchange Trading System)という言葉遊び(ひとつの笑い=「言葉遊び」が共同体を規定する。また「笑い」は批評行為でもある)にマイケル・リントンが託したものであろう。


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関本洋司
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